第三部(第34話〜第50話)

(最終更新 2007.2.16)

 すっかり戦士として成長したミキ。顔つきにもしぐさにも、地球の平和を守るという使命にふさわしい、たくましさが感じられる。  人々を守りたいという彼女の純粋な気持ちこそが、彼女を戦士として成長させることになったのは間違いない。しかし成長してしまった後の彼女は、もう純粋な存在でいることはできなくなりつつあった。
 初期の頃の彼女が持っていたういういしさ、みずみずしさが影をひそめるようになったのも、彼女が戦士として成長する代わりに失ったものであっただろう。
 服装は再び冬服に。ただしブーツのみ夏服のもの。第38話以降は上が濃いピンクのジャンパーになる。
 髪も再び長くなる。第40話から再び最初の髪型に。
 スーツアクターは竹田道弘氏から志村忍氏へ交代。竹田氏は「女性以上に女性らしい動きをする」と評された人ではあったが、志村氏と比べると、丸みを帯びた女性らしい体型だけは真似しようがなかった。

34 出た! 黄金必殺技

 新必殺技開発編。
 デスダークにだまされ、ゴーグルビクトリーフラッシュすらはねかえす最強モズーを作ってしまった河田博士。あげく娘ちえみをデスマルクの花嫁として差し出すよう強要される。
 今回は赤間の活躍編だが、黒田(第42話)、青山(第8話)、黄島(第30話)と、全員一人ずつゲストヒロインに心を動かされる話が作られる中、赤間だけは妙齢の女性を前にして全然態度が変わらない。心やさしくか弱い姫君・河田ちえみをヒロインに据えた話にもかかわらず、特にハッスルするわけもなく、それどころか彼女がスパイである可能性すら冷静に検討している。
 冷静沈着なリーダーとしての彼の面目躍如といったところだが、普段からミキを女の子として扱うような態度を一切見せないのも納得である。
 劇場版とは異なり、今回はミキもちえみをかばうわけでもなければ疑うわけでもない。(これが第49話につながるのか?)
 例によって頭脳労働では黒田の独擅場だが、ミキは彼の助手として、工具を渡してやることぐらいの役には立っているようである。科学的な知識など何も持ってなさそうなのは、第20話と同様。
 デスダークから逃げたちえみが民家に助けを求めようとして「関わり合いになりたくない!」と断られるシーンはかなりシビア。

35 鉄喰い人間の襲撃

 人間に対する恨みを利用するデスダークの作戦第3弾。今回は飢餓に苦しむアフリカの怨念が生み出したハイエナモズーが飽食日本を襲う。あやつられた人々は鉄を食べ出し、街は大混乱におちいる。ガードレールや車に人々がしゃぶりつくシーンはシュールの一語。
 たまたまアフリカの飢餓の惨状を訴える展示会を行なっていた姉弟も事件にまきこまれ、アフリカ展は中止に追い込まれる。ハイエナモズーはゴーグルファイブに倒され事件はおさまりはする。しかし「飢餓のない世界を」という願いまではかなえてくれない。それはこの姉弟たちの活動などにかかっているのだ。
 今までは敵に体をつかまれれば、なすすべなしのピンクであったが、今回はハイエナモズーに地獄車(『柔道一直線』)を見舞ったのは、成長の証であろう。

36 決闘!0・3秒!

 今回はレッドに標的を絞るデスダーク。
 ニードルガンを肩に受け、基地に戻って高熱に苦しむ赤間。
 袖をまくって赤間の額の汗をふき、かいがいしく看病するミキは、ヒーローをいたわり励ますという伝統的なサポート型ヒロイン像そのままだが、違うのは、彼女は共に戦う仲間でもあるということである。そしてこの差は大きい。
 ヒーローの戦いを後方から支援し、癒しを与えるヒロインの存在は、確かに大きな存在には違いなかったであろう。しかし彼女たちは、戦場で受ける傷の痛みも死の恐怖も知らない。自分は比較的危険度の低い場所にいて、ヒーローをいたわり励ましたところで、そこには自ずと越えられない壁があるのだ。
 ヤマアラシモズーとの再度の対決の場に、重傷をおして這ってでも行こうとする赤間を「無理よそんな体じゃ!」と必死で引き留めるミキ。だが無理なのは赤間にも分かっている。分かった上で、なお行かねばならないと言っているのだし、そしてミキもそのことを分かった上で、行かないでと言っていたのだ。戦うことの辛さ・苦しさを共に分かち合う仲間である彼女だったからこそ、そのいたわりの気持ちが赤間にとって痛切なものとして感じられたであろうし、そして事件が終わり赤間の回復後、それを喜ぶ彼女の笑顔が意味するものもまた。
 一年間にわたる長い戦いにおいて、ミキの笑顔が他の4人にどれほどの力を与えていたか分からない。だがそれは、彼女に「戦士」と「戦士をサポートする役」の二重負担を押しつけていたことによって成り立っていたのを、彼らは分かっていたのだろうか(回答は第44話で示される)。
 今回はガンマンコスプレ編でもある。赤のウェスタンルックを着たミキが、「うふーん」などと言いながら、セクシーさなどカケラもないウインクでマダラマンたちを悩殺しバタバタ倒すシーン、これはもうわざとやっているとしか思えない。色気のなさこそが彼女の魅力なのであると、作り手もさすがに気づいていたはずだ。ウインク悩殺は第9話、第20話に続き3度目なのであるし。
 また今回から5人がマダラマンと戦うシーンをワンカットで撮影するような手法がよく使われるようになる。

37 謎の爆撃機を撃て

 マサル少年の祖父は気象学者。デスダークは彼を脅迫して風の計算をさせ、東京爆撃作戦に成果を上げる。
 殴られても協力を拒もうとする祖父だが、孫を殺すと脅されれば結局言いなりになるしかなく、そして沢山の人々を殺す計画に荷担させられる。
 科学を悪用しようという勢力の前には、科学者の良心などもろいものだという話が多く描かれたが、これもその一つである。

38 友情のアタック!

 ひさびさにゴーグルファイブが主人公をつとめる話。今回は青山・黄島のコンビ。くじけそうになる姿を見せたのは、結局青山だけであり、そういう意味ではこの作品世界において貴重なキャラではあった。
 漫才のごとき掛け合いと、コンビプレーのアクションが楽しめる。
 携帯ロケットの改良に必死な青山を、黒田たちが手伝ってやろうとしないのも意味深。
 負傷した黄島がオーバーに痛がっているのを見るや、包帯を巻きながらたしなめるような仕草をみせるミキだが、彼が過激な特訓を始めるや「もうやめて!」とすがりついて黄島をいたわる彼女は、つくづく仲間の男たちにとって有り難い存在であることを示していた。
 またサイミサイルによる被害現場にかけつけ「こりゃあひでえな」と突っ立ったまま男性陣がつぶやく間に、負傷者の搬送を手伝い始めるのも彼女らしい。

39 悪魔の人食い絵本

 子供たちが次々に姿を消すという事件が発生、ゴーグルファイブも調査に乗り出す。子供たちを人質にしようというデスダークの作戦だった。怪しい絵本の存在に気づき、それを追っていたミキは、オサム少年を救おうとして自分が絵本の中にとらわれてしまう。
 狂喜するデスダーク。そして着々と準備が整えられる処刑の儀式。
 ゴーグルファイブの5人の中で、敵から最も恐れていたのは、実はひょっとして彼女ではなかったか。
 こんなやせっぽちの小娘が、なぜ今まで戦ってこられたのか。なぜ恐ろしい暗黒科学の企みを、打ち砕くことができたのか。人々を守りたいという、彼女のやさしく純粋な気持ちが、途方もなく強いものであったからに他ならない。そのやさしい心につけこまれ、ピンチに陥ることも何度もあった。しかし最後には、どんなに痛めつけられ、どんな絶望的な状況に追い込まれても、そのたびに立ち上がり、自分よりはるかに強大な相手に向かって立ち上がる勇気を与え、彼女の戦いを支えてきたのである。
 彼女が純粋で無垢な存在である限り、どうしてもデスダークは勝てないのだ。
 だが、本当にそうだろうか?
 今こうやって絵本の中に閉じこめられ、戦士としてのすべての力をもがれ、心細げな表情を浮かべながら、あてどもなく歩き回っている小娘。
 そしてそれに対して何重ものワナをはりめぐらし、万全の体制で火あぶりの準備を進めるデスダーク。異変を察知した仲間の4人は、彼女を助けるべくかけつけるが、ミミズクモズーは4人がかりの攻撃を一蹴する。
 これだけの力の差がありながら、それでも勝てないというのか?
 そう。それでも勝てないのである。
 小さな体にこめられた、ありったけの力をふりしぼり、身を焼こうとする炎から逃れようともがくミキ。絶望に胸をおしつぶされそうになりながら、それでも勇気をふるい、熱と煙にむせ、苦しんで苦しんで苦しみぬいて、そしてついに彼女は絵本からの脱出路を見つける。
 地獄から抜け出し地に降り立ったミキは、煤と汗にまみれ、ふらふらの体を必死に支えながら、歯ぎしりをして悔しがるデスギラーとマズルカをにらみつける。体力なんてもうとっくに底をついていたはずの、彼女の体を支えていたのは、デスダークに対する怒りだけだった。自分を残虐な手段で処刑しようとしたことについてではない。子供たちを苦しめ、親たちを悲しませたことについての。
 「ゴーグルファイブは、永遠に不滅よ!」
 心は、力によって屈せられることはない。彼女の勝利宣告だった。
 そしてつかの間の安堵を味わうひまもなく、変身してミミズクモズーに立ち向かう。まだ捕まったままの子供たちを助けるために。
 ミミズクモズーを倒したあと、子供たちは解放され無事親の手元に戻った。抱き合う親子たち笑顔を見届けて、ミキはようやく笑顔を取り戻す。
 自分自身が助かった時には、ニコリともしなかった彼女が。

40 秘密基地が危ない

 冷凍催眠状態にされながらもなお口を割らないという、コンボイのリーダーとしての達也の使命感の強さが第15話に続き描かれる。ゴーグルファイブの秘密基地に一歩一歩近づき、ついに入り口を暴く寸前にまで至るマズルカと、うかつに手を出すことも出来ず手をこまねいて見ていることしかできないミキの浮かべる焦った表情がサスペンスを高める。
 第15話と同様、達也の身を案じるあかねだったが、異なるのは彼女に対してミキが「大丈夫、きっと私たちが助けるわ!」と力強く言ったこと。彼女の成長が明らかに見て取れる。
 冒頭、コンボイたちがゴーグルファイブに宿題を手伝ってくれとせがんだりするなど、彼らの生活感が出る回でもある。ぶつくさ言う黄島に対して、乞われるままに宿題を手伝ってやるミキはいかにも彼女らしい。彼女自身、デスダークとの命がけの戦いで疲れきっているはずであるにもかかわらず。

41 変身パパの大冒険

 平凡なガードマンである高山は、自分の子供の前で「強い父親」を演じたいと思い詰めるあまり、偶然手に入れたストロングスーツを着て大暴れ。デスダークが作ったそのスーツは、着た人間のパワーを百倍にする作用があったのだ。正義の味方としてマスコミの寵児にまでなってしまう高山だが、それは当然デスダークの魔の手をよびよせる結果に。そしてさらわれる息子の公一。
 ゴーグルファイブは公一を救い、ストロングスーツは燃やされ、再び平凡な生活へと戻っていく高山。その一家を見送りながらミキは笑顔でつぶやく。「そうね、平凡でも、家族仲良く暮らすのが一番だわ」。
 高山にとっては切ない、ある意味残酷な終わり方でもあったが、自分自身平凡な幸福を捨てて、戦士として苦しくつらい戦いを続けることを選びとった彼女が言うからこそ、暖かみが感じられるセリフとして成り立っていたといえよう。戦う者には家族との安らぎなど不要という、第13話のテーマが伏線にもなっていた。

42 暗殺!サソリの罠

 黒田アクション編第3弾。今回は腕をケガして変身不能。吊り橋の上での格闘など、今回も危険なアクションが炸裂する。
 冒頭、これほど晴れ晴れとしたさわやかな笑顔を見せる黒田は、全編通じて他にはなかったのではないか。彼にとって、休みの日に幼なじみのさやか先生の勤める幼稚園で園児とたわむれることは、地球の平和を守るために戦うという使命をつかの間忘れさせ、安らぎを与えてくれるものだったのだろう。
 だがそれもデスダークに知られるや、黒田をワナにかけサソリ人間にする計画に彼女は利用される。事件がすべて終わった後、謝るさやかを許す黒田だが、その笑顔はもう以前のものではない。たとえそれが利己的な動機によるものではなかったとしても、一度は自分を裏切った彼女に対して、以前のような感情を黒田が持つことが可能だったとはとても思えない。所詮さやかは黒田にとっては別の世界の人間なのである。別の世界の人間だからこそ、黒田は彼女に安らぎを見いだしていたのだ。
 黒田がさやかに見せたような安らかな笑顔を、ミキに対しては決して見せることのなかった理由も、おそらくそこにあったはずだ。

43 死闘!小判争奪戦

 埋蔵金発掘と聞いて、それを横取りしようとするデスダーク。軍資金調達が目的ということで、特に世界征服に向けての陰謀が出てくるわけでもないという、かなり異色の回。雄大な自然を背景にした奥行きのある画面が印象的。
 傷ついた一般人に包帯を巻いて手当をするミキと、その間見ているだけの4人という構図は例によって例のごとく。しかしこういう時のミキは本当に楽しそうではある。

44 あ!食べ物が砂に

 コンドルモズーの砂嵐を浴びた人間は、手に触れた食べ物がすべて砂に変ってしまう。なんとも突拍子もない光景が展開されるが、飢えと渇きに苦しむ人々が街にあふれる様子は悲惨。そして黄島も犠牲に。
 レッドとイエローという、ゴーグルファイブどうしが戦う場面はショッキングでもあるが、黄島のキャラクターのおかげでコミカルな作品に仕上がっていた。
 冒頭の五人がトレーニングをするシーンは、普段からたゆまぬ努力を続ける戦士の日常といった感じ。その最中にドジをこいてケガをする黄島。ミキに包帯を巻いてもらっている間、サンドイッチをほおばる黄島には黒田もさすがに「手当てしてもらってる時ぐらい神妙にしたらどうなんだ」と苦言を呈する。男たちと対等に戦う戦士である彼女を、さらにその上従軍看護婦としてもこき使う身勝手さについては、気がついてないわけではなかったらしい。もっとも黄島はまるで聞く耳持たず、そして微笑をうかべて包帯を巻き続けるミキは、子供のわがままを何でも聞いてあげる母親のよう。黒田の自分に対するやさしさも、何も感じてなさそうであった。
 トレーニングでペダルをこぐミキの衣装は赤いトレーナー。

45 二人のブラック!

 変身能力を持つタヌキモズーをブラックに化けさせゴーグルファイブの秘密基地に忍び込ませようという作戦を立てたデスダーク。しかし本物のブラックを拉致するわけでもないから、「どっちが本物なんだよ!?」とただただ混乱を起こしただけ。ギャグ編だが、ブラックのアクションも二倍楽しめる。
 にせピンクのコミカルなしぐさと素っ頓狂な声も、第22話のピエロの変装以来。
 デスダークに襲われた子供たちを家まで送ろうとしたピンクに対して、ブラックを始めとして仲間の男たちが「遅いじゃないか!」と怒って責める場面があるが、どう見ても八つ当たりとしか思えない。ニセモノ作戦にピリピリしていたからだろうけど、それもデスダークの作戦の内だったのかもしれない。精神的揺さぶりをかけ、疑心暗鬼におちいらせようというふうな。だとしたら、何の口答えもせず即座に「ごめんなさい」と返した彼女は、雰囲気がいっそう険悪なものになることをとっさに防いだことになる。
 そういうところも彼女の強さだったのだろう。

46 超エネルギー出現

 最終編突入。ちなみに本作において一話完結でないのは、この最終5編のみ。
 未来科学研究所の使命はただ戦うだけではない、すばらしい未来を作ることであることが赤間の口からあらためて語られる所からスタートする。
 未来都市建設のために調査に出かけた赤間の親友・遠山は命を落とし、普段冷静沈着なリーダーである赤間には珍しい、感情に走るかのような行動も見られた。彼が個人プレーに走ったのは、第3話以来。
 デストピアは超エネルギー・ハイトロンを手に入れる。

47 これが最終兵器だ

 デスダークはハイトロンを利用し物質移送マシーンを完成させる。また生命体のみを選別し消滅させるダーク砲も着々と完成に向かいつつあった。
 マサト少年を人質にしてゴーグルファイブに足止めをくわせたりもするが、ダーク砲の完成は間一髪で阻止される。
 ダーク砲の完成予想映像で、服だけが点々と残る無人の道路の映像は不気味。またガメラファンにとってはゾウガメコングは必見。
 マサトを人質にしようとするマダラマンの群れと戦うミキだが、マサトを守らねばならない以上自由に動けず苦戦する。その間自由に戦っている男4人。一番非力な彼女に一番負担が重い役割がまわってくるという矛盾はここにも。
 結局最後はマズルカに力ずくでマサトを奪われる。マズルカといえばミキの好敵手というイメージがあるが、対戦成績だけを見ればミキの完敗である。

48 秘密基地最後の日

 ハイトロンエネルギーを利用して、デスマルクはマズルカを透明人間化することに成功、秘密基地にしのびこませるが、マズルカの体にはデスマルクの手によって爆弾が埋め込まれていた。
 自分が捨て駒にされたことをデスギラーから知ったマズルカは、彼を道連れにせんと、自ら起爆スイッチをおす。
 爆破される秘密基地。
 悪の美学だの誇りだの、そういうものとは一切無縁のまま、下っぱとして死んだマズルカ。それはそれで一貫した生き様ではあった。その彼女がゴーグルファイブに最も大きな損害を与えたというのも事実である。

49 将軍!最後の挑戦

 基地再建に取り組むゴーグルファイブだが、そこにもクマモズーの襲撃が。本郷博士が帰還し、第二基地へとおもむく戦士たち。ゴーグルファイブに命を救われたデスギラーが借りを返すべく命がけでモズーに立ち向かったり、デスマルクに銃を向けクマコングへの搭乗を乞うなどし、最後は武人としての誇り高き散り際を見せる。
 デスギラーのその「武人としての誇り」は、おそらく作品の世界観に走った唯一の亀裂だったのだろう。それまでずっと、デスダーク=悪そのもの、という描き方だったのだから。
 瀕死のデスギラーを赤間が助けようと言ったとき、ミキは青山・黄島とともに「えぇ!?」と驚きの声を上げる。以前の彼女ならば、自分から助けようと言い出したはずだ。誰に対しても思いやりを持つやさしさ、それが彼女を戦士として成長させてきたはずだった。しかし成長し、すでに力を得てしまった彼女は、その力に責任がともなうこと、以前のように「かわいそうだから」というだけの感情にまかせて行動することは許されないということも知ることになっていた。
 ミキはもう、以前のような純粋無垢な少女ではいられなくなりつつあった。

50 進め!輝く未来へ

 ついに自ら出陣するデスマルクに、一度は敗れるゴーグルファイブ。しかしついにデストピアに乗り込む。途中で一人また一人と人数を減らしながら、とうとう司令室にたどりつき、そしてレッドはタブーに一太刀を浴びせる。正体を現わしたタブー。
 ゴールデンスピアに倒れるデスマルク。そして巨大化する総統タブーに、地球剣がつきささる。
 デスダークは滅んだ。しかしこれで悪が滅んだわけではない。本当の戦いは、今始まったばかりである。そしてそれをコンボイたちに託して、旅立っていく5人の若者たち。
 ではその本当の戦いとは何か。
 もちろん、すばらしい21世紀の未来を作り上げることである。