住所 |
兵庫県篠山市大熊10-2 |
電話 |
0795-52-1484 |
営業 |
11:30〜14:30 (売り切れ次第閉店)
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駐車場 |
あり |
休業日 |
木曜日(祝祭日は営業) |
価格 |
そば切り \850、おろしそば \1,050、そばがきぜんざい \650
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感想 |
「自家栽培の玄そばを石臼挽きで自家製粉・生粉打ち」を旨とする、関西エリアの蕎麦好きの間では有名なそば店。かなり混雑しているという情報を得ていましたが、訪れた日が2月の平日ということもあってか、客の数もまばらで、運よくすぐ入店することができました。
風格のあるかやぶき屋根の店構えは、京都の丹波町から築300年の建物を移築したとか。玄関先で靴を脱いで中に入ると、火のくべられた囲炉裏が目に入ります。薪のはぜる音も心地よく、暖をとるために据え置かれたいくつかの火鉢の風情も懐かしく、日ごろのあわただしさから解放されて、ゆったりとした気持ちが味わえるような演出がなされています。
さて肝心のそばですが、淡い緑色をした十割そばは意外なほど穏やかな香りと味わい。濃い目のツユとの相性もよく、やさしい喉越しです。おろしそばは、辛味大根とつゆが最初からそばにあわせてあり、辛味大根のキリリとした刺激とそばのハーモニーが楽しめます。最後に出されるそば湯がまた美味しく、おしまいまでそばの香りを堪能することができました。
そばがきぜんざいは、自家栽培の小豆から仕立てたぜんざいの甘さとやわらかめのそばがきが程よく調和して、田舎のお祖母ちゃんのうちでもてなされているような気分が味わえます。
一会庵さんは確かに「おそば屋さん」です。しかしながら、「美味しいそばを供する」ただそれだけがこの店の目的ではないようです。農業を生活の中心にすえて、それを生かすためにそば屋を経営する。自分に納得のいく農業を実践し、同時に生計も立てられるような仕組みを作り上げることが、この店の本来の目的であるように思われます。「村おこし」や「農業の再活性化」の成功モデルとなりうる営業スタイルといえるでしょう。その意味で一会庵は、都会で流行しているこだわりそば店とは明らかに一線を画す究極のそば店であると言えると思います。
ちなみに、器の多くが地元丹波篠山の立杭焼。篠山という地域を強く意識していることが、器からもうかがえました。皆さんも機会があればぜひ。
★★★★1/2 (Feb.2005)
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